減価償却とは何かを簡単に説明すれば、
「資産の価値は時の経過と使用頻度に応じて減少していくのだから 費用もそれに応じて計上していく」となるのでしょうか。
1年に200万円の売上を上げる5年間使用できる500万円の機械を 購入したとしましょう。
仮に購入初年度に全額機械の購入費を計上してしまうと 1年目は300万円の赤字が計上され、2年目から5年目は200万円の 黒字が計上されるというバランスの悪い収支になってしまいます。
会計上は500万円÷5年=100万円を各年度の減価償却費として費用化して、 各年の売上200万円から100万円を差し引いた100万円の利益が 5年間に渡って計上されることになります。
実際の減価償却費の計算は 少々複雑で、このような単純な計算にはなりませんが、大まかな考え方としては こんな感じです。
費用の効果を資産の使用期間に振り分けていくのが 減価償却の大きな考え方の一つです。
計上する費用を減価償却費、資産価値がなくなる期間を見積もった年数を 耐用年数と呼んでいます。
資産に見合った耐用年数に割り振って減価償却費を 損金経理していけば資産に投下した購入費用は耐用年数期間中に、 ほぼ全額費用化されるということです。
なお減価償却の対象となる資産のことを「減価償却資産」と呼んでいますが、 全ての資産が減価償却の対象となる資産ではありません。
土地や書画骨董品などは対象とはされていません。
資産を購入して耐用年数を企業ごとに任意に見積もって減価償却費を 計上するのが本来の姿かもしれませんが、
税法上で減価償却費を損金経理できる 償却限度額が定められていますので、
多くの企業は税法上の耐用年数を採用しているようです。
税務上の取り扱いでは、購入費用が10万円未満の資産や使用可能期間が 1年未満の資産は減価償却資産とせずに、その年に全額費用に計上して 構わないとされています。
この他にも税法では特例を認めていて、 30万円未満の少額減価償却資産は単年度で損金経理しても構わないとされていたり、 20万円未満の減価償却資産は一括償却資産として3年で償却できる制度があります。
実務では税法を絶えずチェックしながら減価償却費を計算する 作業が必要になってきます。